日本製鉄 2030年に八幡高炉廃止発表

高炉の仕組み 浅井鋳造所 |いものびとWebから
高炉の仕組み 浅井鋳造所 |いものびとWebから

2023/5/28

 

産廃焼却残渣の埋立処分に変更となるか?

 

 日本製鉄は、2030年に八幡製鉄所の高炉を廃止して、電炉にすることを発表しました。

 高炉廃止となれば、製鉄ダストの発生はなくなり、光和精鉱のダスト工場の原料がなくなり、ダスト焼鉱の発生なくなれば、高炉ペレットの原料はなくペレット生産廃業になります。2.4号流動床炉の休止、ぺレットキルン休止になり、産廃焼却残渣もえがらの最終処理先がなくなります。産廃炉だけ残り、焼却残渣燃え殻を埋立処分すことで光和精鉱は存続できるとしても製鉄ダスト処理が不要となれば、光和精鉱の製鉄所に対する存立価値は希薄となります。

 7年先に光和精鉱はどうなるのか、社員は不安になつています。高炉廃止の検討を開始するのであり決定ではないと傍観的の待機して親会社に委ねるのではなく、自立した将来ビジョンを策定することが望まれます。

 

 八幡製鉄所が高炉から電炉に変われば、コークス工場は不要になり、タールがなくなり、スラグも発生しなくなり旧新日鉄化学の化学工場、高炉セメント㈱の存立基盤もなくなります。

 高炉廃止の影響は、作業請負関係の雇用問題とともに、副産品原料がなくなる関係企業の存立基盤が変化します。

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産廃炉はサーマルリサイクルしていない。

製鉄ダストを焼却した後のダスト焼鉱(2017.7 社外戸畑川港野積み場)
製鉄ダストを焼却した後のダスト焼鉱(2017.7 社外戸畑川港野積み場)

 2023/4/17

 木製バレット破砕して燃やして熱回収はしていない。

 

 パレット、フレコンなど産廃容器は破砕して、産廃汚泥と混ぜて産廃炉で焼却している。光和精鉱の産廃炉は熱回収をしていません。

 製鉄ダストは、すべて高炉用ペレットの原料ではない。セメント会社へセメント用鉄源として出荷している。製鉄ダストはコークス粉を混合して流動床炉で焙焼工程で排熱はボイラーで蒸気生成しているのでサーマルリサイクルであるが、産廃焼却炉はボイラーはなく熱回収はしていない。

 製鉄ダストに粉コークスを熱源として配合し、産廃炉からでた「焼却残渣」を混ぜて焙焼することは、二酸化炭素削減と逆行するプロセスです。産廃業のカーボーン削減目標と手段としてどんなレトリックを講じるのか注目するところです。SDGsの取り組みは、エコアクション21の取り組みはスローガーンだけの精神論でよいが、カーボン削減はどんな手段を講じるのか示すのはかなり困難です。木製バレット燃やして処理する、CO2が発生する。木製パレットは木質バイオマス発電用に回すのがカーボン削減ではないだろうか。

 光和精鉱の「産業廃棄物の最終処分終了まで」の一連の処理の行程の記述は、誤りと考えます。また、製鉄ダストは全て、高炉用ペレットにて製鉄所殿に「お返し」はしていない。ダスト焼鉱は、セメント会社へそのまま出荷している。

  

 (親会社に殿と敬称つける卑下した表現は公文書にはなじまない。今後、光和精鉱が改訂したとき参照のため履歴して本ブログを記録しておくことにします。)

 

光和精鉱のさんぱいくんHPから転写

 <優良産廃処理業者認定制度に係る公表事項>から抜粋

 

 産業廃棄物の最終処分終了までの一連の処理の行程(文字表記)

  当社における産業廃棄物処理では、燃え殻は埋め立て処理をせず100%リサイクルすることで、「徹底リサイクル」を実現しています。それを実現するためのコア技術は、塩化揮発法です。

   当社では、製鐵原料の製造と産業廃棄物処理を連動させて実施しています。製鐵原料の製造は、日本製鉄株式会社九州製鉄所 八幡地区殿より受け入れた製鐵ダストを製鐵ペレットに加工し、九州製鉄所八幡地区殿お返しする事業です。製鐵ダストは、製鐵プロセスにて生じたダストで、高濃度の炭素と不純物元素(Zn,Pb等)を含有しており、そのままでは製鐵プロセスに戻して原料化する事はできません。当社では、まず、流動床炉において炭素分を燃焼させて除去します。この際の燃焼熱は蒸気として回収し、サーマルリサイクルを行います。こうして炭素が除去されたダストを、ペレットの形状・寸法(=直径10mmの球形。高炉内での通気性を確保するため、この形状・寸法が要求される。)に成形した後、ペレットキルンに送ります。ペレットキルンでは、成形物を1250℃まで昇温し焼成します。この過程で、

  1)酸化物形態で混入している不純物(ZnO,PbO等)の除去 → 除去物は分離・回収し、非鉄精錬原料化

 2)焼き固めて高炉に装入できる強度を確保が行われ、不純物が除去され,高炉装入に適した寸法・形となった製鐵ペレットが生産されます。不純物除去の手段として、「不純物成分を酸化物形態から沸点がより低い塩化物の形態に変化させ、蒸発させてペレットから除去する。」という塩化揮発技術を適用しています。ここで述べた、ダストを製鐵ペレットに加工する一連の技術は、塩化揮発ペレット法と呼んでいます。

  固形の廃棄物の処理における主フローとしては、その性状に応じて、事前に産廃炉(=キルン+二次燃焼炉で構成された焼却施設)において仮焼きした状態,もしくは,そのままの状で製鐵ダストに混合し、製鐵ダストと一緒に上述のプロセスで処理します。その過程で、廃棄物中非鉄成分(CU、Pb、Zn等)は非鉄製錬原料として回収され,鉄分やシリカ等は製鐵ペレットの一部となり、マテリアルリサイクルされます。

   廃油については、ペレットキルンの燃料油等の工程内の燃料油を廃油で代替する形で処理します。また、その燃焼熱は、廃液の熱分解にも利用されます。こうして、廃油はサーマルリサイクルと処理を両立した形にて処理されます。

 廃液については、「炉内に吹き込んで熱分解する」,「ダストと混合してスラリー化する液分として利用し、流動床炉内で焼却」等、その性状に応じて適当な形で処理を行います。廃液の大部分を占める水分は蒸発し,若干量残留する固形分は、上記の固形廃棄物と同様に処理されます。

   廃棄物を入れてきた容器も当社内で処理を実施します。ドラム缶等の金属容器は、付着した廃棄物を焼き飛ばした後、プレスし、スクラップ業者に売却します。コンバツグやパレット等は、破砕して原料に混合する事で焼却し、サーマルリサイクルを行います。このようにして、容器も含めて廃棄物を完全に処理します。

   以上、説明してきた「製鐵ダストのリサイクル」と「廃棄物の処理」を連動した形で実施している事が、当社の廃棄物処理プロセスの特徴となっています。 2022.6.24現在

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君津製鉄シアン排液流出、県に経過と再発防止報告

「脱硫液」の流出で赤黒く染まる水路=6月19日18時ごろ(君津市提供)東京新聞
「脱硫液」の流出で赤黒く染まる水路=6月19日18時ごろ(君津市提供)東京新聞

  2022/10/3

  自主測定が基準値超えたときの行政報告徹底せず。

 

 日本製鉄君津製鉄所で、コークス炉ガスの脱硫工程の排水のシアンが基準値超えて、河川の魚類が死んで行政から摘発される事件が起こりました。この原因を社内調査をしていると過去数年間にわたり、排水基準超えがあったことを隠していました。日本製鉄は行政からの要請により22/9/30付で原因を報告しました。排水の自主分析が基準値超えても、再検査して法定内になっていたら行政への届け出は不要と誤った認識があって、組織ぐるみの隠ぺいではないと弁解をしています。組織ぐるみでなれば、現場の総括責任者の社内処分がなされなければ、再発防止の統制がとれないでしょう。

 今回の原因報告で、「脱硫液タンクから廃液が漏れて防液堤を超えて流出し、脱硫液のシアン化アンモニウムが未反応で残存し、脱硫液からシアンが検出されることが判明しました」と報告しています。

  八幡製鉄コークス工場で脱硫液は、かって光和精鉱で焼却して芒硝にして処理していました、側溝の排水溜まりが、いつもシアン基と鉄と反応して濃褐色に染まっていました。最初のころは脱硫液をロダン処理と称しててましたが、芒硝製造と呼ぶようになりました。

 

 多くの企業が一過性の法違反を行政へ自首するような報告を命じる経営トップは稀有です。排水、排ガスが法基準を超えたとき、操業負荷を下げて、再サンプル採取して再分析をします。 自主測定結果が法定超えしたとき、都度、行政へ報告義務の行政指導が徹底されていないこともあり、立ち入りで違反が指摘されて、不都合な自主測定分析が発覚するのはよくあることです。いかに隠すか、誤魔化すかが上級役職者の手腕と錯覚している人がいます。黒と白の間の灰色は、違法ではない?

 

 

東京新聞2022年10月1日 07時25分

シアン流出 59件報告せず 日鉄君津「担当職員らの認識不足」

日本製鉄株式会社

東日本製鉄所君津地区 排水事案に関する報告書の提出について【9月30日発表】

 

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エコアクション21事務局HPに平成2年度版公開

光和精鉱HP☞「エコアクション21~環境活動レポート」
光和精鉱HP☞「エコアクション21~環境活動レポート」

2022/9/12

 2021年版は、エコアクション21HPで公開されていた。

 

 光和精鉱のエコアクション21環境活動報告2020年(令和2年)と2021年(令和3年)の活動報告が公開されないと当ブログで記載しましたが、エコアクション21事務局中央事務局HPに「環境経営レポート見る」の検索したら2021.7.13付 2021年(令和3年版)が公開されていました。

 なお、光和精鉱ホームページには2年分とも公開されていないです。また、エコアクション21のHPでは、未だに古いみのが掲載されています。エコアクション21の2年毎の更新認定審査の杜撰さは、活動実態が形式的でもパスする制度なのでしょう。

 (報告書は画像クリックでリンク設定)

 

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光和精鉱環境活動レポート2021年版

光和精鉱HP☞「エコアクション21~環境活動レポート」
光和精鉱HP☞「エコアクション21~環境活動レポート」

2022/9/8

 2019.2020年版は公表せず。

 

 光和精鉱は、エコアクション21の環境活動報告が3年ぶりにホームページに公開しました。

 2020年(令和2年)と2021年(令和3年)の活動報告は、ダスト4号炉ボイラー更新で排ガスダイオキシン基準値超えて改修工事のため長期休止したこと、排ガスの水銀が超えたことなど不都合な事態があってか環境活動レポートは作成しても公開しなかったと推測します。

 (報告書は画像クリックでリンク設定)

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看板だけのエコアクション21活動

光和精鉱組織人員2022/7/7訂正
光和精鉱組織人員2022/7/7訂正

 2022/7/11

HPのエコアクション21活動報告は2年前の旧いまま

 

 和精鉱ホームページで「北九州SDGs未来都市アワードで企業部門・SDGs賞」を受賞したと自慢しても、エコアクション21環境活動レポートは2020/8/6作成の平成29年度~令和元年度までのふる~い活動報告のまましか公開していません。排ガスのダイオキシン、水銀の規制にどう対応したのか環境レポートで知りたいところです。

  

優良産廃処理業者認定公開事項の組織人員訂正

 当ブログで役員変更公開されても、組織図は年前のままを公開されていること本ブログ6/27指摘したところ、光和精鉱は組ハ織図の6/30最新版更新しました。ところが、その組織図の合計人員が計算誤っていること7/1ブログで掲載したら7/7に差し替えられました。虚偽記載は優良認定取り消し対象となるが、古いままは違反ではない。

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ダウンロード
2022/7/11現在 光和精鉱HP公開のエコアクション21活動報告PDF
環境活動レポート(0884 光和精鉱株式会社 2019年度版.pdf
PDFファイル 8.8 MB

八幡製鉄所宿老・田中熊吉氏の胸像

宿老。田中熊吉さんの像//戸畑構内製銑サブセンター前 2017.7
宿老。田中熊吉さんの像//戸畑構内製銑サブセンター前 2017.7

2022/7/4

 製鉄所の宿老は滅私奉公の模範として崇められる。

 

 八幡製鉄所戸畑構内製銑サブセンター玄関横に、初代宿老。田中熊吉氏の胸像があります。八幡構内から移設したと聞きます。

 『復習するは我にあり』で直木賞をとった佐木隆三氏は、八幡製鉄社員時代に社内報記者として、田中熊吉氏を取材し社内報「くろがね」に記事を書きます。田中熊吉氏は、ドイツに留学して高炉技術を学びます。31歳のときハンマーを左目に当たっても夢中で作業をし続け、水晶体が飛び出し失明します。大正7年の米騒動は八幡では800人の兵隊で警戒して騒動を防ぎ、製鉄所は半月分の臨時慰労金が出だして暴動を防止します。八幡では米屋を襲うことは起きなかったが、その後、労働組合の結成と、普通選挙実施運動の盛り上がりのなか、大正9年2月にストライキが起こります。そのとき、田中熊吉氏は高炉の火が冷えて固まらないようにします。「高炉止めるなら俺を殺して行け」と体を張って高炉を護ったのは、創り話しのであると書いている論文があります。2波のストが終息し熊吉氏は論功褒賞で職工の模範として、宿老に任命されます。定年のない終身雇用で昭和47年1972年98歳で亡くなります。

 

 佐木隆三氏は2004年『宿老・田中熊吉伝 鉄に挑んだ男の生涯』を書き、2007年に『高炉の神様 宿老・田中熊吉伝』改題しています。

 昭和18年発行、若杉熊太郎著の『田中熊吉傳』があります。戦時中に書かれたもので、まだ生きているので「神様」とは呼ばず「溶鉱炉の主」と表題です。田中熊吉氏は、人の悪口はいわず、ただ仕事に熱中した?職工の模範として美談ばかりで戦意高揚として産業報国会の戦意高揚の戦争体制を翼賛する本です。 佐木隆三氏は、熊吉氏が死亡しているので「高炉の神様」に祀り上げたのか経緯は不明です。

 佐木隆三氏は事件裁判ものの著作が多いなか、八幡製鉄所に関連する小説もたくさん書いています。『冷えた鋼塊』(1981年)は傑作です。原子力製鉄開発のことが書かれています。いま、脱炭素化で水素還元製鉄の研究が国の巨額の予算をもらい始まっています。高炉でコークス使用せず、水素還元で鉄をつくりCO2削減するとふれまわっていますが、水素製造には大量の熱源が必要でCO2発生トータルは同じです。ですから、核融合原子力を熱源にしてCO2を発生させない小型原子炉を利用する構想があります。原子力は、完全に制御できる技術は確立しておらず、再稼働の賛否が分かれています。

 

 水素還元製鉄になると、光和精鉱での高炉ダストの原料がなくなります。するとダスト流動床炉での高炉ペレット原料なくなり、産業炉焼却残渣の原料リサイクル先がなくなります。そのときは産廃残渣の埋め立て処分ゼロの看板は降ろさざるを得なくになるでしょう?

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会社組織人員誤りを掲載

優良産廃処理業者認定制度に係る公表2022/7/1転写
優良産廃処理業者認定制度に係る公表2022/7/1転写

2022/7/1

人員合計の誤り

 

 和精鉱は優良産廃処理業者認定制度に係る公表事項で役員交代は早々と更新しているが、組織図は1年前のままでしたが、2022/6/30更新されました。

 ところが、合計人員は誤りです。虚偽報告は優良事業所認定の取り消し対象です。

 重箱の隅をつつくようですが、その他公開事項にも明らかな小さな誤りは散見します。

 産廃受入れ処理実績報告も直近のものはない。1年前のものでもよいとする北九州市の行政指導を改め限り、自主的に公開はしない。都合の悪いことは公開したくないものです。

 さて、組織図の訂正は、いつになったら差し替えられるのでしょう。

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2021年度光和精鉱決算

2022/6/24

2021年度決算はPCB処理特需で大幅黒字

 

 2019年度は4号炉ダスト焙焼炉ボイラー更新で排ガスダイオキシン基準値超えて、北九州市から操業自粛の指導を受け手直し工事で長期間休止し赤字でした。休止損失は特別損失とし社宅跡地を東宝ホームへ売却して、特別利益と相殺した。経常利益は△3.06億円の赤字でした。

 翌年2020年は低濃度PCB廃棄物処理単価下落と受注減、排ガス水銀規制による廃棄物処理の制約により処理収入が減で、かろうじて1.97億円の黒字決算でした。

 さて、2021年度は、低濃度PCB廃棄物の特別受注があり、経常利益7.86億円とし特別損失1.95億円計上しています。北九州市若松のPCB処理期限が延長となり、この受注が期待されるところです。純利益4.08億円あるのに親会社へ配当はしていません。親会社の日本製鉄、DOWAの決算は黒字の好決算で配当受けると税金増えるので配当を求めなかったのかは不明です。

 今年度2022年度もJESCO北九州市のPCB処理期限が延長となりここの廃棄物の受注が続くことが期待されます。

[入札結果]運転廃棄物等(北九州)の外部処理委託(令和4年度)(令和4年3月4日)【PDF: 51KB】

 


ダウンロード
[入札結果]運転廃棄物等(北九州)の外部処理委託
JESCO北九州市入札結果.pdf
PDFファイル 51.0 KB

ダウンロード
光和精鉱決算推移2019~2021年度 (優良産廃処理業者認定制度に係る公表事項から)
光和精鉱決算推移2019-2021.pdf
PDFファイル 413.2 KB



光和精鉱組織図 2021/6/15現在
光和精鉱組織図 2021/6/15現在

2022/6/27

光和精鉱役員異動人事 2022.6.20付

 

 2022年6月の株主総会の取締役人事で日本製鉄出身の平嶋直樹社長は退任しアステック入江に再就職し、DOWA出身の加納睦也副社長が社長に変わりました。取締役の製鉄出身の総務部長市丸雅之は退任、DOWA出身営業部長・重松一成は退任し中国のDOWAの廃棄物会社へ異動しました。退任役員の代替えは日本製鉄とDOWA出身の新しい役員が就任しました。 役員5人、常勤監査役なし、非常勤務監査役4人のいびつな役員構成です。

 

<2022/6/20付光和精鉱役員人事>

 代表取締役社長  加納睦也

 代表取締役副社長  笹川真司

 取締役   駒林徹

 取締役   有働康之

 取締役   中島浩史

 監査役 4名 全員非常勤

  

 優良産廃処理業者認定制度に係る公表事項webの2022/6/24現在の役員は更新されていますが、組織図は1年前の2021/6/15現在の図のままです。1年前の旧いまま更新しないのは優良事業所認定の取り消し対象になります。

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日本製鉄大分 ベルトコンベヤ挟まれ死亡

2022/5/20

日本製鉄でベルトコンベヤーとタンクの間に挟まれ作業員の男性死亡 

 テレビ大分 2022年5月6日 金曜 午前11:34

 

 6日朝早く、大分県大分市の日本製鉄九州製鉄所大分地区で作業員の男性がベルトコンベヤーとタンクの間に挟まれ亡くなりました。

警察などによりますと、6日朝5時20分ごろ、大分市の日本製鉄九州製鉄所大分地区で、ベルトコンベヤーとタンクの間に男性が挟まれているのを別の作業員が発見しました。

 挟まれていたのは日本製鉄九州製鉄所が業務を委託している会社で働く太田和輝さん33歳で、その場で死亡が確認されました。

太田さんは当時、鉄鉱石が流れてくるベルトコンベヤーで鉄鉱石以外のものを取り除く作業などを1人で行っていました。警察が事故の原因を調べています。

 

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 操業優先で一人作業では大丈夫と過信して回転体手出してします。

 だから、触ったら停止するセンサーなどつける必要がある。

 

 死亡したのは濱田重工社員で、発見したときは損傷激しく死亡していたとのこと。大分製鉄所では2014/12/6 テツゲンの男性24歳が一人作業で石炭搬送ベルトコンベヤブリーに左腕巻込まれて死亡しています。

 回転体手出し禁制事項順守してないと自己責任として片付けのではなく、仕事熱心でベルト回転停止せず、触ってしまうことは過去経験済みで予見可能ですから設備に触ったらセンサーで自動停止する装置などつけてないのは、安全配慮義務違反です。

 和精鉱では過去5回のベルト巻き込まれ事故が起きているのに、設備的改善はせず、禁制事項順守に偏重した対策で済ますので、事故は風化して忘れた頃にまた起きるのです。

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労災特別せん別金は慰謝料ではないとの判例

2022/2/24

 損害賠償損益相殺 費目間の流用禁止

 

 三菱マテリアル細倉鉱山退職者107名が安全配慮義務違反として慰謝料を請求した裁判です。この裁判で退職時に支給された特別せん別金は慰謝料から損益相殺できないとする判決(1996/3/22)でした。裁判は双方控訴して2審で1996/10/15和解で解決しています。

 細倉鉱山につづき三井金属神岡鉱山じん肺訴訟裁判は2016/1/21名古屋高裁判決が2017/3/15最高裁上告不受理決定し名古屋高裁判決が確定してすます。双方ともに退職者が慰謝料を請求した裁判です。 

 さて、光和精鉱は同和鉱業(DOWA)と同一の労災法定外補償です。DOWAは三井、三菱と同じ労働協約です。光和精鉱の特別せん別金の性格は、慰謝料ではないことになります。損害賠償の計算では、支払項目の流用禁止ですから、逸失利益部分と慰謝料部分を別々に分けて損失相殺します。

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鉱山(かねやま)の息―三菱細倉じん肺裁判運動の歩み  細倉じん肺訴訟終結5周年記念誌編集委員会2001/11/1
鉱山(かねやま)の息―三菱細倉じん肺裁判運動の歩み  細倉じん肺訴訟終結5周年記念誌編集委員会2001/11/1

細倉鉱山じん肺損害賠償慰謝料請求判決1996年3月22日

判決理由抜粋

 二 損益相殺

 〔中略〕通常、労災補償法に基づく保険給付の原因となる事故が惹起され、使用者がそれによって生じた損害につき賠償責任を負う場合に、政府が被害者に対し、労災補償法に基づく保険給付をしたときは、被害者が使用者に対して取得した損害賠償請求権は、右保険給付と同一の事由については損害の填補がされたものとして、その給付の価額の限度において減縮するものと解されるところ、労災補償法に基づく休業補償給付、傷病補償年金により填補されるのは、被害者の受けた財産的損害のうちの消極損害(逸失利益)のみであり、精神的損害(慰謝料)は填補されないと解されるから、右各給付を受領したとしても、その額を慰謝料から控除することは許されないとされている。

〔中略〕

 被告らの主張するじん肺見舞金は、労使間の労働協約に基づき支給されるじん肺特別餞別金であると認められるところ、その法的性質は、労災補償法に基づく給付の相対的な低水準に対してそれを補い、被害労働者の所得を補償する機能を有する労災補償給付の上積協定であると解され、したがって、通常、右休業補償給付等と同様、被告らの主張するじん肺見舞金によっては、精神的損害(慰謝料)は填補されず、その額を慰謝料から控除することは許されないものと解される。


傷病手当金支給期間通算の改定

厚労省パンフレット 「健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されます」から
厚労省パンフレット 「健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されます」から

2022/2/19

 

健保傷病手当金は実休業日数で1年6か月支給に改定

 

 傷病手当金とは3日間の待機期期間を経て、4日目以降に標準報酬日額の2/3を休業暦日数支給されます。その支給期間は傷病手当支給開始から、同一病症で従前1年6か月間でした。途中勤務した日数があっても1年6か月で打ち切られます。

 

 この支給期間が2022年1月1日から、傷病手当支給日数が延べ1年6か月に改定されました。「傷病手当金」の支給期間が通算化されると支給開始日から1年6ヵ月間の支給期間中、出勤した日は支給期間から除外され会社を休んだ日数の合計が1年6ヵ月に達するまで、傷病手当金を受給することができるようになります。

 改正前は「傷病手当金の支給開始日から1年6ヵ月経過した日」から、支給日数が通算されると、会社を休んだ日数期間になります。

 傷病手当期間改定は疾病を抱える人たちに、治療に対する就業上の配慮を行い、治療と仕事が両立できるようにするため、改定されたのです。うつ病、ガンなど長期治療が必要な場合に、出勤しながら仕事に行けない日に傷病手当金を受給することが可能となります。

 和精鉱では私傷病欠勤が3か月を超えると休職発令をし、職場復帰して1年以内の再発で欠勤したら休職期間が通算されます。「治療と仕事の両立支援」措置として休職期間の改定が待たれます。 

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労働者へ直接作業指示する偽装請負

厚生労働省パンフレットから抜粋
厚生労働省パンフレットから抜粋

 2022/1/19

派遣法違反は労働契約直接申し込みしたとみなす制度

 

 請負労働者へ発注者が直接作業依頼や時間外労働を指示をすることは違法で、派遣労働者であれば、直接労働者へ作業指示をしてもよい。偽装請負、違法派遣は派遣先会社が直接雇用契約の申込みをしたと見做す労働契約法の改定がされています。

 東リで請負会社の労働者へ東リ社員が日常的に直接作業指示をしていたことが派遣逃れの偽装請負と判断された画期的判決がでました。この判決後、労働局行政は違法派遣、偽装請負の基準を示して 企業へ啓蒙しています。

 和精鉱では、偽装請負にならないよう、請負会社からの出向にして違法にならないように工夫しています。また、派遣労働者を派遣先が面接して派遣として採用することは違法ですが、派遣社員の工場見学名目での事前面接、特定者を指名をして派遣契約をしています。

 法令違反の灰色グレーゾーンをいかに精通して活用するかが、管理監督者の能力ではありません。

「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(37号告示)に関する疑義応答集 ☜リンク

東リ・偽装請負のみなし雇用控訴審判決

 東リの工場で請負の形で勤務していた男性5人が、勤務実態が偽装請負だったとして、神戸地方裁判所に訴訟を提起。神戸地裁は訴えを退けたが、二審の大阪高等裁判所は2021年11月4日に、同社が請負会社の責任者を通して具体的な作業手順を指示していたと認定した上で、「請負としての実態が無く、脱法行為であることは明らかである」として偽装請負を認め、労働者派遣法に基づき、東リは直接雇用契約の申し込みをしたと見做し、解雇後の賃金支払いを命じる逆転判決です。東リはこの判決を不服とし最高裁へ上告しました。

 大阪高等裁判所判決を受けての弁護団声明☜リンク 

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光和精鉱決算公告2020年度

 

2021/7/2

 

2020年度決算 黒字復活

 

 光和精鉱株式会社の2019年度決算はダスト4号炉ボイラー更新に失敗して排ガスのダイオキシンが法基準を超え、その手直しのため長期休止をして経常利益は赤字となり、ボイラー更新休止の特別損失を社宅跡地売却益の特別利益で相殺した形となっています。

 2020年度は経常利益膨らますためか、特別損失増やしています。

 

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賞与回答3月にしたら引当金決算調整可能

光和精鉱低濃度PCB処理チラシ (記事とは関係ありません)
光和精鉱低濃度PCB処理チラシ (記事とは関係ありません)

2021/6/21

 賞与支給額3月末まで回答すると引当金精算必要。

 

 和精鉱株式会社は2021年3月決算は経常利益1.98億円でした。

 2021年賞与は4月になり回答しましたので、増加した分は2020年度決算期末整理で、賞与引当金は増はないので決算は賞与増額分経常利益が増える形になります。

 経常利益2億円未満のときは別途協議としていますが、2021年度賞与を3月末までに回答していたならば、賞与支払い見積額増となり、賞与引当金引当金増となり経常利益は減ります。組合平均前年度比+19.8万増ですが、管理職含む社員平均は仮+25万×170人≒4250万円となり引当金増=経常利益減となります。つまり、3月末までに賞与回答していたら経常利益は1.98億+0.43億=1.55億円になります。

 年度賞与は3月末までに回答して賞与減額の組合平均80万円/年の回答して、減額分引当金を減として引当金減らして決算赤字を減らした決算にしました。

 過去、決算調整で賞与引当金減らすため夏賞与額を10万にし、当年度決算見込み額で賞与計算して年度末賞与を支給したことがあります。当年度年度末賞与の支給したが、3月期末間近予想した利益見込み額が大きく増えて、その差額を翌年度夏に追加支給しました。期末決算調整賞与を支給した年3回の賞与方式は中止されましたが、賞与引当金会計を粉飾まがいに合法的におこなつた奇天烈なこと社史に残る事件でした。

 

関連ブログ☞2015年03月27日 - 年度末決算賞与廃止

2015年06月07日 - 年度末決算賞与廃止にいたる経緯

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光和精鉱2021夏賞与 組平49.9万円

2021/6/18

 責任者賞与別途財源入れると100万円超える

 

 きょう6/18は光和精鉱の賞与支給日でした。組合平均年間99.8万円の1/2の499,000円(1.94か月分)が夏支給額です。

  昨年2020年は4号炉ボイラー更新の失敗で排ガスダイオキシンが法の基準値を超えて、ボイラー手直しで長期休止となり、大きな赤字決算のため賞与は組合平均80万円/年でした。

  今年は決算黒字となり99.8万円/年で+19.8万円 24.75%の増額です。経常1.98億円で2億円未満だから業績連動式適用しないが、算式適用して99.8万円となってます。賞与額算式→100万+(経常利益-2億)/1000=80万+経常利益/1000=80万+1.98億/1000=99.8万円。

業績連動式は予め決めておくところ、決算確定して従前の算式をもって額を算出しています。

    社員のみで構成する光和精鉱労働組合は最低保障として100万円を要求しましたが、2000円少ないです。ですが別途財源として、職長2万円、係長に3万円責任賞与があります。職級配分でランクⅣの係長職位は、配分平均財源は目途とし、人事考課反映は財源調整補正はしませんから考課は100を超えるが常です。実支払額は組合平均100万円/年を超えます。

 親会社の日本製鉄は標準労働者で105万円/年、対前年+5万円 +5%です。日本製鉄の表示額は、組合平均ではなく標準労働者で別途財源として役職者の責任賞与があります。

 光和精鉱の賞与水準が高いのか低いのか、他社賞与額との比較で感じるものです。 

 

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 2021年04月14日 - 光和精鉱賞与算出計算式

2016年06月16日 - 絶対評価で財源は基準額超える (2)

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トヨタ バワハラ自殺謝罪

「会社の奴隷」届かなかったSOS 職場の危機感欠如浮き彫りに | 毎日新聞2017/6/7
「会社の奴隷」届かなかったSOS 職場の危機感欠如浮き彫りに | 毎日新聞2017/6/7

 2021/6/7

叱責は教育的指導でパワハラではないと言い逃れ

 

 パワハラで自殺し労災認定されて労災補償と企業内上積み補償があるが、これには遺族の精神的痛みの慰謝料は含まれていないので、企業や加害者に慰謝料請求することができます。

 新聞報道によると、トヨタで2017年に上司からパワハラ受け休職となり職場復帰し、上司は変わったが同じフロワー前に机は位置で、強いプレッシャーを感じていた。直属の上司から「バカ、アホ」「こんな説明ができないなら死んだ方がいい」などと繰り返し言われた。この上司から個室に呼ばれ「発言を録音してないだろうな。携帯電話を出せ」と言われていた。

 トヨタは逸失利益や慰謝料見合いの解決金額は非公開です。パワハラして加害者上司はどのような人事処分があったか不明です。トヨタ社長が直接遺族に謝罪をしたのは、パワハラ防止法律が施行されたことからと思います。

 2015/12/25クリスマスの日に飛び降り自殺した電通の高橋まつりさんは、労災保険給付を除き、逸失利益と慰謝料と合わせての和解金約1億6,800万円でした。パワハラで自殺以外の慰謝料判決での相場は、パワハラ防止法ができて以降上昇しています。

 

 光和精カ鉱株式会社では、特定の人への些細なミスに対して「仕事の指導」としてイジメ、人格否定めいた事件は起こっています。「ちゃんと仕事せんと人事考課下げるぞ」「この仕事は向いてないのでは」「イヤなら会社辞めたら」「再雇用条件不満なら契約更新しなくていいのよ」などの発言の上司の威嚇的な言動は抵抗する勇気がいります。

「デキが悪いので厳しく指導したが、少しきつかったかな---」と隠していたのでは、パワハラ再発防止対策にはなりません。

  

トヨタ、パワハラ自殺認める 社長、遺族に謝罪

毎日新聞 2021/6/7 

  トヨタ自動車(本社・愛知県豊田市)の男性社員(当時28歳)が2017年に自殺したのは、上司のパワーハラスメントで適応障害を発症したのが原因だったとして、豊田章男社長がパワハラと自殺との因果関係を認め、男性の遺族に直接謝罪していたことが判明した。トヨタ側は徹底した再発防止策を誓うとともに、解決金を支払うことで遺族と和解した。和解の成立は4月7日付で、解決金は非公表。遺族側の代理人とトヨタが明らかにした。

 トヨタは当初、社内調査を踏まえパワハラと自殺との因果関係は否定した。しかし、豊田労働基準監督署が19年9月、遺族の主張に沿う形で労災を認定。豊田社長はこの直後に遺族を訪ね、因果関係を一転して認めた。和解が成立した際も対面した遺族に再び陳謝し、「ご子息を忘れずに再発防止策の改善を続け、トヨタを変えていく」と述べたという。

 遺族側によると、東京大大学院を出た男性は研修後の16年3月、本社の車両設計を担う部署に配属された。直属の上司から「ばか」「アホ」「死んだ方がいい」などと叱責され、同7月から3カ月間休職。適応障害と診断された。男性の休職理由は社内で情報共有されず、男性は復職後も上司に近い席で働くこともあった。「死にたい」などと周囲に漏らすようになり、17年10月に社員寮の自室で自殺。遺族は適応障害の発症に伴うトラウマ症状が続いていたと訴えた。トヨタは遺族の意向にも配慮して改めて社内調査を実施し、上司への対応を怠った安全配慮義務違反も認めた。遺族はこうした対応を受け、裁判を起こさない形で和解を受け入れた。和解内容には複数の再発防止策も盛り込まれた。匿名通報を受け付ける相談窓口を新設したほか、パワハラを把握した場合は外部の弁護士を交えて丁寧に調査する。今後5年間は遺族に対策の取り組み状況を報告することも合意した。

 遺族は代理人を通じ、「パワハラは一人の人間と周りの人生まで狂わすものだと思う。職場環境の改善に真剣に取り組んでいただく必要がある」との談話を出した。代理人の立野嘉英弁護士(大阪弁護士会)は「対策は遺族の意見も取り入れており、パワハラを許さないという決意を示していて評価できる」と語った。 一方、トヨタは「大切な社員の尊い命が失われた事実を真摯(しんし)に受け止め、この痛みを一生忘れず再発防止を徹底したい」とした。【戸上文恵、松本紫帆】

 

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「トヨタで生きる」ブログ トヨタ パワハラ自殺事件から1年 

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コロナワクチン予約とれない

北九州市ワクチン接種予約サイト画面。3週間先まで予約満杯2021/5/26
北九州市ワクチン接種予約サイト画面。3週間先まで予約満杯2021/5/26

2021/5/26

コロナ対策の失政

 

 北九州市はワクチン接種券を75歳以上に続き、65歳から74歳の人達に5/24に発送しました。ワクチン接種予約は毎日ではなく水、木、土、日で3週間先まです。既に3週間先まではネット予約で満杯です。電話回線は何度かけてもつながりません。

 65歳以上の接種終わるのは7月末になりそうです。64歳以下の人達の接種開始はいつになるのか未通しを政府は発表していません。

 ワクチン集団接種から個人病院接種を国は検討しています。64歳未満の現役労働者にワクチン接種を短期間に終わらせる策としては有効です。「質さんうどん」が、ワクチン接種特別有給休暇を与える報道がありました。会社で集団接種できないとなれば、多くの企業でワクチン接特別種有給休暇が普及することでしょう。

 国のコロナ対策は7月23日から開催オリンピック開催したくて失敗していると思います。コロナ疾患者数が増えると、病院が足りなくなるので検査能力があるのに検査件数を増やさないのではとの意見は正鵠を射ています。コロナ感染者は検査件数を増やすと増えます。交通取り締まりを増やすと違反件数が増えるようような相関です。非常事態宣言期間を延長するのはしかたないが、コロナ検査能力はあるのに検査増やす要員態勢をとらないのはいかがなものでしよう。

 

 聖火リレーは無観客で盛り上がりません。1964年東京オリンピックの聖火リレーを小学生のとき観にいきました。枝光の八幡製鉄本事務所前北門付近を聖火ランナーが走り、製鉄社員の人達が群れをなして集まり人垣で聖火は見えませんでした。黒い煙りを一瞬見て感動した記憶があります。2021年オリンピックは無観客では、虚しい祭典ですから中止した方がよい。コロナでオリンピック開催するより、中止した方が歴史に残ります。  


65歳定年延長

日経新聞2019/5/15 70歳雇用へ企業に努力義務記事の図表 
日経新聞2019/5/15 70歳雇用へ企業に努力義務記事の図表 

2021/5/11

同一役職10年間で解任-日本製鉄

 

     日本製鉄は2021/4/1から65歳定年延長を実施します。その労働条件は次のとおりです。

  • 賃金-役割給割合増、年齢給45歳以降逓減
  • 退職金-現行60歳水準を65歳へ移行して退職金増額しない。
  • 役職-同一役職在任10年間上限し解任する。昇進しないと解任となる。
  • 関連会社へ転籍年齢-転籍現行55歳から60歳に変更し賃金差額、早期退職金加算継続
  • 交替勤務-免除しない。

 

 和精鉱株式会社は定年延長を検討するとの2021春闘回答あっています。どのような条件になるのか推理してみます。

 光和精鉱株式会社の改定賃金制度は、年齢給もなく人事考課により増額幅が決まり、考課悪いと増額なしの累積型賃金テーブルで降給はありません。

 現在、役職定年はないので役職ポストつくるために組織細分化し、事務管理部門は肥大化傾向になっています。定年延長は役職者の処遇が最大の課題です。60歳で役職解任し、60歳時点の賃金をリセットして別建て賃金テーブルを設けて降給できるようにするか、60歳水準の20~30%減とすることが考えられます。そうであれば、定年延長ではなく再雇用制度に毎年昇給、降給がある賃金テーブルとなります。

 現行退職金は55歳で退職金の勤続年数凍結でスライド額の基礎額は旧い賃金テーブルの年功給+職能給に勤続年数に比例した係数をかけてスライド額に定額加算、特別加算額を加算して算出しています。スライド額比率はとても少ないので60歳で凍結すればよい。そもそも新賃金制度では退職金スライド基礎額となるものがないので、旧い賃金テーブルを使用して退職金計算している矛盾があります。ポイント制退職金制度にするしかないでしょう。

 光和精鉱では、自力で制度設計はできないであろうから、また社外の人事コンサルタントに高いお金払って設計委託することでしょう。

 

70歳就業法」(改正高年齢者雇用安定法)が 2021/4から施行されます。これにより、希望する社員が70歳まで働けるようにする「努力義務」が企業に課せられます。努力義務だから罰則はなく強制されません。希望しないよう処遇を悪くするか、特別な人を嘱託再雇用として恣意的運用することで「努力」していると世間体を取り繕うことが予見されます。取締役は70歳まで役員継続または常勤顧問や相談役として雇用することの口実に利用できます。65歳定年延長は部、課長、係長、職長を60歳で一律解任を原則とし、例外をつくり役割ポストを増やすので、定年延長は労務費コストが増えるのです。 


三星化学工業に賠償命令、ぼうこうがん訴訟

特定化学物質関係の安全標識例  ミスミHPから
特定化学物質関係の安全標識例  ミスミHPから

 2021/5/12

 

 特化則対象物質は発がん性物質が含有

 

 福井の三星化学工業の労働者達が特化則適用物質のオルト―トルイジン が皮ふから吸収されて、膀胱がんにかかり労災認定されたが、労災保険には痛みや辛さの精神的苦痛の慰謝料は含まれていなく、損害賠償として慰謝料の支払命令判決が2021/4/11でたので紹介します。

 光和精鉱株式会社では、様々な産廃物を処理しています。膀胱がん、大腸がん、喉頭がん、肝臓がん、肺がんに罹った人がいるので、労働者はガン発症を抱いています。産廃に含有している発がん物質との因果関係を立証しないと労災申請は困難です。

 有機溶剤の含有率が5%超える溶剤は. 有機溶剤中毒予防規則対象になりますが、具体的な対象作業が使用、製造作業と法令では限定されているので、産廃処理は有機溶剤中毒規則の適用となりません。健康診断はするが、労基署へ健康診断結果報告不要なのです。しかし、特定化学物質障害予防規則が適用されます。特化則は有機溶剤防止則のように、こと細かく設備的な具体的な対策は規定されていませんが、予見される健康障碍に対して、暴露軽減対策を講じることを使用者の義務としてます。特化則のほうが有機溶剤則より厳しいのです。

 「自分のからだは自分で護れ」とマスク着用だけを注意するだけでは、安全配慮義務を果たしているとは言えません。なんらかの発生源を封じ込める対策を講じず、また吸引換気設備の性能維持管理を怠らないようないようにする管理態勢が産廃業界は脆弱です。

 

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 2015年05月27日 - 特化則と有機溶剤の違い

 

  

三星化学訴訟 化学物質扱いぼうこうがん会社側に賠償命令 福井地裁判決

【毎日新聞 2021/5/12 東京朝刊】

 三星化学工業(東京都)の福井工場(福井市)で発がん性のある化学物質「オルト―トルイジン」を扱い、がんを発症したのは同社が安全配慮義務に違反したためだとして従業員ら4人が計3630万円の賠償を求めた訴訟の判決で福井地裁(武宮英子裁判長、上杉英司裁判長代読)は11日、同社に計1155万円の賠償を命じた。健康被害を予見できたのに防止措置を怠ったと認定した。

 厚生労働省によると2018年、全国で107事業所の計1168人がこの物質を現在または過去に扱ったとして健康診断を受診した。発症までの潜伏期間が長いため、今後、被害が拡大する可能性がある。

原告は福井県内に住む50~60代の従業員と元従業員。この工場では15年12月まで染料などの原料製造にこの物質を使っていた。4人は1988~97年に働き始め、2015~16年にぼうこうがんを発症。厚労省は16年7月、この物質が付着したゴム手袋を使うなどして長期間、皮膚から吸収したことが主な発症原因とする調査結果を公表した。判決は、同社が01年までに、この物質の有害性が記載された「安全データシート」を入手し、副工場長が目を通していた点を重視。シートには、皮膚が物質にさらされることによる健康被害や発がん可能性が記されており、同社には01年時点で「被害の予見可能性があった」と認定した。その上で、皮膚などに浸透しない作業服の着用や体に付着した場合の洗浄などを従業員に守らせる義務があったのに徹底されなかったと指摘。安全配慮義務違反があったと結論付けた。

 一方で、発症から4~5年が経過後もがんが再発したとは認められないことなどから、賠償額を1人あたり275万~330万円と算定した。訴訟で、同社側は皮膚吸収による発がん性は国や専門家も知らなかったとして、「会社が具体的な対策を講じることは困難だった」と主張していた。同社では原告4人を含む計13人がぼうこうがんを発症し、12人が労災認定を受けた。同社は取材に「判決文を精査しないとコメントできない」としている。

 

<オルト―トルイジン> 

染料などの合成原料に用いられる無色の液体。国際がん研究機関(IARC)は2012年、人に対する発がん性の十分な証拠がある「グループ1」に分類した。体内に取り込むと代謝生成物が尿に蓄積し、ぼうこうがんを発症すると指摘されている。厚生労働省は17年、「特定化学物質」に指定し、従業員の健康診断などを事業者に義務づけた。

 

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2016年11月20日 - 産廃物には特化則の適用されるもの多い。