いじめの原因は空気

北海道 登別市立幌別中学校HP から生徒のポスター
北海道 登別市立幌別中学校HP から生徒のポスター

2015/3/4

上五島 中3イジメ自殺事件

 

 2014年1月長崎県新上五島町で、中学3年の松竹景虎さんが自殺して対して、学校は全校生徒にアンケー調査して、遺族には「いじめは見つからなかった」と報告し、その後、再調査しても「いじめはあったが、原因とは断定できない」としていた。だが、第三者委員会は過酷ないじめがで自殺したとの結論をだした。学校の身内での調査では、真の原因を探究しないのは、他校でも同じ例がある。

 亡くなった生徒が自殺半年前の夏休みに書いた作文は心を揺さぶる文章です。毎日新聞で生徒の作文が紹介されました。「いじめられても松竹君は笑っていた」「いつも笑顔であいさつし、優しかった」と周りの人達証言しています。笑顔に振る舞い、いじめをなくなることを作文で訴えています。この作文は胸を締め付けられます。学校は遺族に謝罪し、授業で景虎さんの作文を教材として、イジメをなくす取組みを開始しました。イジメたのは、見ていて助けなかったクラスの全員です。

  「空気」

    長崎県新上五島町立奈良尾中学校3年生・松竹景虎

・・「いじめの加害者の気持ちを想像してみた。主な理由は二つほど考えられる。一つ目は、いじめという行為が楽しい。「相手の反応がおもしろい」などがよく補足としてつけ足される。この加害者は恐らく、自分がその苦痛を知ることでしかやめないだろう。

 二つ目は、周りの友達に合わせているからだと考えられる。そう、ほとんどの人が自分が嫌われないように生活しているのだ。もし、少しでも友達が嫌いな子に優しくすれば、そのことを責められ、今度は自分がいじめの対象になるのではないかという不安と恐怖にかられる。それの連鎖がおこるから、周りの人に合わせるといじめがおこる可能性があると思う。

 もっともたちが悪いのは後者の方だ。なぜなら、いじめが完全に終わることがほとんどないからだ。対象者は移り変わってもいじめは続く。

 では、いじめの原因は何かを伝えよう。それは「空気」だ。これが目に見えないものだから恐ろしい。いじめをしなければ自分がやられてしまうという空気、いじめに参加しないといけない空気。いじめの加害者、主犯でさえも空気によって動かされているのだ。

 この問題を解決する方法はただ一つ……。みんなが親友になることだ。そう、実はすごく簡単なはずなのだ。人の笑顔は人を笑顔にし、その笑顔がまた別の人を笑顔にすると思う。僕の好きな歌にこういう歌詞がある。『空気なんてよまずに笑っとけ、笑顔笑顔、笑うかどには福来たる』暗い顔をしていてもいいことは起こらない。学校で習う数学の公式や英単語を忘れても、笑顔の大切さだけは忘れないでください。」

 

 ※自殺する半年前に書かれた少年の作文はイジメの起こる仕組み、本質を突いています。

いじめは嫌がらせをする。抵抗すると仲間外れにして無視する。大人達は、見て見ぬふりをするズルイことをしていないと言い切れるだろうか。