非組合員のこと決めた労使協定の効力

2014/8/31   

   非組合員の再雇用の労働条件を決めた協定書の効力の考察

 

 労働組合は、組合員以外の労働条件改善をも視野に入れて会社と交渉する。交渉結果は労使協定などで決める。この効力は組合員にのみ適用される。

 非組合員の労働条件は、就業規則、賃金規則により規定される。労働協約を下回る規則は無効だから、社内規則は結局、労使協定と同じになる。

 会社は非組合員の定年後の再雇用、嘱託の労働条件は協議する。その理由は「組合員が定年後処遇を決める」と言う。非組合員の労働条件を協議することは自由である。だが昇格して管理職になり非労働組合のことは一切協議対象としない。この典型として、30時間分の固定残業、定期昇給廃止の賃金テーブル改定がある。

 使協定は、その適用対象者を組合員のみです。非組合員は労使協定を適用されているのではなく、労使協定と同じ規則定めて適用しているにすぎません。そしてその規則が周知されて始めて有効となるのです。

 

 みちのく銀行事件(最高裁判決平成12年9月7日)は、55歳以上の管理職組合少数組合員の不利益となる賃金改定を多数組合と銀行が労使協定締結して人事規則を改定したことが、一方的な不利益変更として無効とされた例があります。

 

 当ユニオンは、過半数を組織し、資格審査をうけ法人格を登記している。だから、会社は団体交渉に応じる義務があり、会社は誠実に対応して頂いている。組合の違いにより差別的な対応は不当労働行為として禁止されている。JR、JAL、郵政、三菱重工などの企業は複数の労働組合があり、1企業1組合ではない。

 

 労働組合は全ての労働者の地位向上、権利擁護のために自己組織外の非組合員以外のことにも関わることがてきる。そのことが、自らの労働条件向上に繋がるからである。だが労使協定の効力は所属労働組合員の範囲に限られる。非組合員の特定社員の不利益な労働条件改悪を認めた協定に効力はない。

 一企業では解決できない問題は国の法律を変えるため政治に労働組合が係ることになる。

 光和精鉱株式会社の非組合員は、会社との個別労働契約なのです。だから、労働条件変更は、一人ひとりの同意を得る手続きが必要なのです。そんな手続きは煩雑だから、労働組合と集団的労働条件変更の協議するのは乱暴な対応です。規則規程を周知せず、「労働組合と合意している」と開き直る事例があつた。集団的労働条件と個別労働条件との違いは、最近の労働契約法で整備されている。(2014.8.31だて備忘録)