退職金規則には契約社員期間の通算規定がない。

 光和精鉱㈱退職金規則によれば、「退職金計算の勤続年数は、採用から満55歳までの期間をもって計算する」とある。

 これを文面どおり解読すれば、中途採用の契約社員期間は、勤続年数に加算しれない。試用期間は勤続通算されるが、契約社員の勤続期間換算はない。

 ところが、契約社員の個別労働契約の退職金の項では、「正規社員となつたときは、契約社員期間は勤続年数に加算する」としている。

 労働契約は、その契約期間のみ有効であり、社員になつたら社員退職金規定により退職金は支給されるのですから、契約社員期間の勤続通算する旨を規則にないものなので、退職金計算するのはできない。

 55歳で新日鐵住金出向が転籍した人は、満55歳以上の勤続年数は計算されないので光和精鉱の退職金はない。もつとも、転籍のときに相応の退職金上積、減収差額を十分に補填されて転籍しているので痛みは少ない。

 

退職金規則  抜粋 (平成6年10.1整理)

(勤続期間の計算)

第7条 勤続期間の計算は、採用発令の日から退職発令の日までとする。

2前項の規定にかかわらず、試用期聞は勤続期間に加算する

3前2項により算出された勤続期間のうち、1か月にみたない期聞は、1か月として計算する 。

4.勤続年数の算定にあたっては、前1項の規定にかかわらず満 55歳以上の期間を除外する。ただし、第5条の基礎月額については、この限りではない。