2016春闘情報(1)

2016/3/11

春闘情勢

 大手春闘一斉回答3月16日をひかえて、交渉状況のNEWSを紹介します。

基幹労連は定期昇給とは別に4000円の賃上要求しています。光和精鉱ユニオンは20000円の賃上げと休日増など要求していますが、会社からは要求に対する見解について、なんら報告はありません。3月14日団体交渉します。

 

鉄鋼、月2500円で最終調整 新日鉄住金など4社 

 日本経済新聞2016/3/10 2:00

 新日鉄住金、JFEスチールなど鉄鋼大手の2016年春季労使交渉は9日、賃金改善について16、17年度の2年分で月2500円とすることで最終調整に入った。14、15年度合計を500円上回る。各社は中国発の鋼材不況で業績が悪化しているが、前回を上回る賃金改善によって他産業と格差が広がるのを防ぐ。

 鉄鋼大手の春季労使交渉は新日鉄住金、JFE、神戸製鋼所、日新製鋼の高炉4社が賃金改善の水準をそろえるのが慣例。4社の業績には差があるが、2500円で統一するよう最終調整している。1年目、2年目にどれだけの賃金改善を実施するかは各社がそれぞれ判断する見通しだ。組合側には3千円をめざす声もあり、労使の激しい攻防が予想される。

 上部団体の基幹労連は今春の交渉で16、17年度合計で8千円の月例賃金引き上げを求める統一要求を掲げている。鉄鋼大手の組合はこれに基づき16、17年度のそれぞれで4千円の賃金改善を要求していた。前回の14年春の交渉では組合側が14、15年度のそれぞれで3500円を要求し、2年合計2千円で妥結した。

 鉄鋼業界の賃金交渉は2年分をまとめて協議する。一律に賃金カーブを引き上げる単純なベースアップ(ベア)でなく、若手や危険職場への重点配分など各社が抱える課題に応じ月例賃金に反映する柔軟な手法をとる。

 中国が国内で余った鋼材を大量に輸出したことで世界的に鋼材市況が低迷し、各社は業績の下方修正を重ねた。このため、JFEや神鋼は前回実績を上回る賃金改善に難色を示していた。だが、最終的に経営側は鉄鋼業全体の魅力向上や国内経済の底上げに協力する必要があると判断。2500円の賃金改善実施で足並みをそろえることで最終調整に入った。

  

鉄鋼大手、2年で2500円軸に交渉 自動車など高水準で上積み

産経 3月11日(金)8時15分配信

 新日鉄住金やJFEスチールなど鉄鋼大手の労使が2016年春闘で、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善を16年、17年の2年分で月2500円とする方向で詰めの交渉に入ったことが分かった。妥結すれば前回交渉(14、15年の合計で2000円)を上回る。鉄鋼大手の春闘は2年分をまとめて協議し、組合側は16年、17年のそれぞれで月4000円を要求していた。
  鉄鋼各社は中国勢の過剰生産による市況悪化で業績が悪化しているが、会社側は昨年の春闘で自動車などが高水準のベアを実現したため、格差拡大を防ぐ上で一定の上積みが避けられないと考えているもようだ。人材育成が課題となる中、社員の士気向上にも配慮したとみられる。 ただ、組合側には3000円への上積みを求める声もあり、16日の集中回答日に向け激しい攻防も予想される。

  

トヨタ、ベア2000円軸

2016.03.10 12:23 時事通信社

 トヨタ自動車が2016年春闘で、基本給を引き上げるベースアップ(ベア)を3年連続で実施することが10日、分かった。ベアに相当する賃金改善分として月額2000円を軸に調整する。仕事と子育て両立の一環として、ベア原資の一部を在宅勤務制度拡充などに充てることも検討する。

妥結すれば、定期昇給に当たる賃金制度維持分の7300円と合わせ9300円(組合員平均で2.6%)の賃上げとなる。春闘をリードするトヨタがベアに踏み切ることで、賃上げが幅広い企業に波及しそうだ。

 豊田章男社長は10日、都内で記者団に対し「春闘は労使がしっかり話し合う場。双方で納得した結論が導かれればよい」と話した。[時事通信社]

 

味の素「労働時間を1日20分短縮」 春闘で労組に回答

朝日新聞2016年3月8日19時39分

 食品大手の味の素は、2016年春闘で労働組合が出していた所定労働時間短縮の要求に対し、1日当たり20分短くすると回答した。現在の所定労働時間の7時間35分を、17年4月から7時間15分にする。同社は月1万4千円以上の実質的なベースアップになると試算している。

 会社側が4日に回答した。対象は管理職を除く社員約2500人で、年間では1人当たり80時間の短縮になる。同社は子育て中の人や外国人、障害者らが働きやすい環境を整え、多様な人材を確保したいとしている。終業時刻を早める方向で調整するという。「[朝日新聞」