『7つの会議』池井戸潤

2013年7月13日から、NHK総合土曜ドラマ全4回で放送
2013年7月13日から、NHK総合土曜ドラマ全4回で放送

2015/3/17

社員は部品ネジのように、いつでも代える'

 

 『半沢直樹』『下町ロケット』の池井戸潤さんの『7つの会議』は立ち読みしてコツコツ読んでいた。図書館の予約順番待ちは120番目であり、3か月後しか手元に来ない。貰った図書カードで購入した。

 雪印が不正事件が起こり、これが執筆された時期にカネボウ事件が起こった。最近では、マンションくい打ち、東芝不正経理事件、福島原発放射能漏水と都合の悪いことを隠し、それが発覚して大事になる事件が続く。隠していれば事件にならないが、正義漢か不満かのどちらかが動機となり内部告発で隠しきれない。経営役員は、法律違反に対してきちんと対応しないと辞任させられる時代になっています。法令遵守、人権軽視を続けるブラック企業は世間から淘汰されていきます。

  社員はネジ部品のように、いつでも代える。擦り切れたら取り換えるのが企業である。読者は、組織に抵抗する人に共感し喝采する。都合の悪いことを隠すのは日常生活でも起こる。隠蔽体質とは、組織を構成する個々人が、都合の悪いことを誤魔化す、嘘をつく、隠す。これを隠蔽体質という。

 家庭では子供たちに正直で人の優しくする生き方を教えが、利益優先のために良心をゆがめて働くかせる仕組みが、会社の隠蔽体質を創っていく。 

 

 

『7つ会議』は、各部課の大勢の名前がでくるので、相関図を手元において読まないと迷う。ネジと社内無人販売ドーナツを道具にしてものがたりは展開していく。

 大手メーカーの系列子会社の椅子シートメーカー中堅営業部の課長が、万年係長の八角さんからパワハラで訴えられ更迭人事がおこなわれる。そのパワハラした営業課長は、既取引会社「ねじ六」はコスト割れする価格改定を求める。赤字となるので取引解除せざるを得なくなり倒産寸前になる。部品ネシを安い発注先に変更したのがパワハラで更迭された営業部の課長だった。

 耐久基準を満たないネジ使用した椅子のクレームが寄せられる。経理部がネジ発注先が元に戻ってコスト増となったこと調査する。営業部は、変更した理由は言う必要がないと突っぱねる。実はパワハラによる更迭人事は別のものがあったのです。経営トップが安いネジに発注先変更を巧みにコントロールしていたのです。うだつの上がらないように見えた万年係長の八角さんは、会社が整理されても残って最後にはスジを通す漢(オトコ)になるのです。