過失相殺のため本人の責任を誇張する。

慈友行政書士事務所HPから 過失相殺のイメージ
慈友行政書士事務所HPから 過失相殺のイメージ

2017/8/16 07:17

 

保護具着用だけで必要な設備改善を怠ることを戒める

 

 務上災害補償は治療費、休業補償は会社が100%補償される。後遺障害となったときは、労災保険給付のほか企業内上積給付があります。しかし、痛みや辛さに対する慰謝料の給付がありません。これは損害賠償として請求することができますが、民事訴訟裁判する覚悟をもって行わないと、相手は応じないものです。

 交通事故の自動車保険では、物損補償、治療費、休業補償、後遺障害と逸失利益に慰謝料が加算されます。その際、加害者と被害者の過失割合を判定して被害者の過失割合分が差し引かれます。交差点で相手が赤信号なのに侵入してきた場合、相手は法令違反ですから100%責任があるかと言えばそうではなく、被害者側にも事故回避する義務がありますから、危険回避しなかったときは、過失相殺割合は低いが過失があるとされます。

 災の場合も同様、本人の過失がゼロということは滅多にありません。だから、事故発生したときに、使用者の安全配慮責任を稀釈するために本人の危険回避責任を追求します。会社も悪いが、本人も悪いところがあるとする事故原因が併記されます。安全教育が不十分な場合は、本人の責任度合は少なくなります。安全衛生法違反は、いくら過失相殺をしても賠償額「ゼロ」というのは認められません。特段の本人の不注意を見出すことがないときには。「安全感性がない」「危険予知能力がない」「指差呼称していない」などを原因とする事故対策では再発防止になりません。

 故原因究明は、本人の過失を責めるばかりではなく、なぜ不安全行為をしてしまったのか背景を解明することが労働組合の仕事です。

 十分な安全作業手順を教えず、必要な設備改善を怠り、保護具着用さえさせればケガは起こらないとする考えは戒めなければいけません。

 

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2017年01月24日 - 安全配慮義務違反の損害賠償請求