作業服の着替え時間は労働時間になるか

『判例のなかの労働時間法』旬報社 2013/1/29初版
『判例のなかの労働時間法』旬報社 2013/1/29初版

2018/11/19 23:15

 

17:05発の退勤バス乗車するため、終業時刻前に着替えは容認される。

 

労働時間に関する、社会保険労務士の試験問題です。

 

1.労働基準法第32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、その具体的な判断においては、労働契約、就業規則、労働協約等の定めに従い決定される。→×

 

2.労働基準法第32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まる。

 

 労働時間に該当するか否かは、「労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない。

  使用者から、作業服及び保護具等の装着を義務付けられ、その装着を事業所内の所定の更衣所等において行うものとされ、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができ、労働基準法上の労働時間に当たるとするのが最高裁判所の判例です。

 

 

 和精鉱株式会社では、作業服の制服着用義務が安全衛生規則で明記されている。従って。作業服の着替え時間は労働時間となる。規定がなくとも、制服の着用義務があるときは、その着替え時間は「使用者の指揮命令下に置かれたものと評価する」ことができるので、労働基準法上の労働時間に当たるとするのが最高裁判所の判例です。

 労働時間把握は使用者の義務であり、労働者の自己申告で自主的労働や私的時間を労働時間に非ずと決めるのは正しくない。

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